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シアワセ分けてあげたい

駆け抜ける日々の中 ふっと心揺らした 五色の虹 僕の胸焦がしていく
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雷と智くん

「ぎゃあぁぁ」


ソファの上で出来るだけ窓から遠い端っこにうずくまって耳をふさぐ。



外は嵐。



どしゃぶりの雨があたりを白く濁らせ



真っ黒な雨雲が不規則に光る。



ピカッ



「わっ、」




ゴロゴロゴロゴロ



「ひぃぃ」






ピカピカピカッ




カーテンの隙間から漏れてくる光にビクッとして、


心の中で数を数える。





1、2、3、4、5・・・




ゴロゴロ




「うぅぅぅ・・・近くなってきたぁ」




『はっはっは、そんなこわいの?』




床に座って背中をソファに預けている智くんはむしろわくわくしている。




「・・・・ぅぅ」




『ほら、意外ときれいだよ。』



のっそりと立ち上がって窓の方に向かってカーテンをシャッと開けた。



その瞬間雲の中を稲妻が走り抜けた。




「いぃぃぃいやぁだよぉ、危ないよ!ね!ね!窓から離れて!」


『んはっはっ、だーいじょうぶだってぇ、落ちないから。』



そう言ってカーテンを閉めると戻ってきた。


『おおげさだなぁ。』


そういって右手の人差し指で鼻先をこする。


ピカッ


「ひぃっ」


1、2、・・・


ゴロゴロゴロー!


「ぎゃあーーーー今の落ちたよ絶対、揺れた、ねぇ、ねぇ」



『今のすごかったねぇ、・・・大丈夫だよ、死ぬときはいっしょ!』


キリッとキメ顔をしたけど、全然カッコよくみえない。


死ぬ前提なんて縁起でもない!



「そういう問題じゃないって・・・」


『ふふっ、だいじょうぶだよぉ、』



そう言って微笑むと、よいしょっと腰を上げてソファに上がる。



隣に座ると、耳を塞いでいた私の左手を右手で握る。



もっとくっつきたくなって智くんの左側にピッタリくっついて空いている右手で彼の左腕にガッシリと抱きついた。




『こんな怖がるひと初めて見たわ』


「なんで怖くないのか逆に疑問だよ。もぅ。」



なんでだろうね、怖くないんだよね、と私にしか聞こえないような声でつぶやきながら


顎を私の頭に乗せてスリスリした。



まだ時折ゴロゴロと鈍い音がするけど、少し怖さが和らいできた。



さっきまで塞いでいたからか、いつも聞こえないような音が聞こえるような気がして・・・


智くんの鼓動の音が聞こえるような気がして・・・


怖がってるくせにキュンとしてしまう自分が恥ずかしくなる。




「・・・はぁ、疲れたぁ」


『は?つかれた?』


「ずっと、体に力が入ってたみたい・・・へへ」


『もうそろそろだいじょうぶでしょ。ふふふ』



「・・・うん、ちょっと・・・怖いけどね。」



そのあとも、まだ鳴り止まない音に時々ぎゅっと身を震わせて


怖い怖いとうるさい私を、


ずっと穏やかにだいじょうぶだよって安心させてくれた。











・・・・・・・。






目を開けるとテーブルが視界に入った。




10:45。


「・・・・ぅぅん」



あ、こんなところで寝ちゃったんだ、と体を起こすと肩から毛布がするすると落ちて膝の上にくしゅくしゅっと集まった。



あれ、これ・・・。



あ、そうだ、雷が・・・・



いつの間にか寝ちゃったんだ。



外はすっかり静かになって、夜の湿った風が窓から入ってくる。




智くん・・・



ソファの背もたれ越しにキッチンを見ると、背中を丸くした彼がいた。




私に気づくと、おぉ、といってまた背中を丸めた。





「かみなり、、、おさまったね。毛布、ありがとう。」


といいながらキッチンに向かう。



『うん、あんなに怖がってたのにすぐ寝てたよ(笑) おれもつられてしばらくねてた。』




そうなんだと言って彼の手元を見ると、お腹すいてない?と言った。




私はグラスを食器棚から出して軽く拭くとコースターを二枚引き出しから出して、リビングのテーブルに持っていく。




智くんがつくってくれた軽いおつまみと、冷えたビールで静かな夜をすごす。







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