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シアワセ分けてあげたい

駆け抜ける日々の中 ふっと心揺らした 五色の虹 僕の胸焦がしていく
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シェアハウス#15

ココマデ→シェアハウス#14


※ゆるゆる妄想ストーリー



「はぁ・・・・。」

今日は帰ったら飲もう。
そう思いながら車の中で大きなため息をついた。


鍵をかけて、靴を脱いで、スリッパを履いて。
体に染み付いた一連の流れはどんなに疲れていても滞ることなく行われる。


内側にフツフツと湧いてくるイライラを外に出したらおしまい。
そう思って我慢に我慢を重ねて営業スマイル!と作られた私で働く毎日。

そんなことを繰り返していたらいつか爆発しそうで。


玄関に靴はなく、リビングも真っ暗。
今日もみんなは仕事。
大学時代の一人暮らしのさみしさが蘇る。

電気も付けず月明かりでぼおっと照らされた床をとぼとぼと歩いて自分の部屋へ向かう。


着替えやタオルを抱えてリビングを抜けると、素早くシャワーを浴びて汗を流す。
ため息をつくたびに目の奥が熱くなる気がして、ぐっとこらえた。


リビングはまだ暗いまま。

冷蔵庫を開けて、コンビニの袋を取り出す。
この間買ったけど手をつけなかったお酒とおつまみだ。


あの日からもう一週間も経っていることに気づき、どれだけ平凡な日々を送っているのだろうと思うと
無意識のうちにため息をついていた。

どれだけ私は幸せを逃がしたら気が済むのだろう。


間接照明をつけるとソファによりかかりプシュッとプルタブを起こす。


今日は、もういいや。。。


ゴクゴクゴク・・・・カランッ


「・・・ははっ。・・・はぁ。」


私はオヤジか!と心でツッコミを入れて2本目の缶を開ける。
それを一口飲むと缶を持ってキッチンカウンターに向かった。


一瞬クラッとした気がしたけど、疲れのせいにして
冷蔵庫にある残り物で軽くおつまみを作った。


・・・・・。




暗いリビング。オレンジ色の間接照明。ひとり賑やかにしゃべるテレビ。
テーブルの上に置かれた4つの空き缶と、ワイングラス。

ガラスのテーブルに頬が触れるとひんやりとして一瞬目が覚めた。

テーブルはすぐに私と同じ温度になって、私はガラスに溶け込んだ。



・・・・・・・・。






夜中、カーテンを閉めようと窓の前に立ったら、庭に知らない人が立っていてこっちを見てた。
ただ立っているだけ。
気味が悪くって鍵を確認して、すぐにカーテンを閉めた。

前がよく見えない。

景色が霞んでぼやぼやとしている。

部屋は暗くって、怖い。


怖い。


・・・・こわいよ。


・・・・おかあさん・・・


「・・・うぅ・・・、んぅぅー・・・・ん。」


(・・・ん?・・・・ぃ、・・・・ょ?)

私が助けを求めようとすると、声が返ってくるけど誰かわからない。
うまく声が出せなくて、叫べない。


「・・・・っ、・・・・っ、」




・・・お母さん、ちょっとだけ、そばにいて?

・・・・うぅっ、・・・・・・うぅ、・・・・・・ぅぅーーん、、、




・・・・息苦しくなって目が覚めた。


「はぁ、はぁ、・・・・。夢・・・・。」



起きたら泣いていた。


肩にかかるタオルケットをぎゅっと握り締めて顔を覆うと、そのまま静かに泣いた。
泣き始めたら嫌なこと嬉しかったこと、過去のいろんなことが
ものすごいスピードで蘇って涙がとまらない。



リビングの様子が少し変わっていることに気づいたのは泣き止んだときだった。


モノ一つ無いテーブルの上。

ソファにいる私。大きなタオルケット。


そのとき部屋が明るくなった。


はっとしてキョロキョロすると、大野くんがいた。


『だいじょうぶ?』

「・・・うん・・・・あ!!!!」

状況を把握すると、一気に恥ずかしさがこみ上げて、タオルケットを頭から被った。


「だいじょうぶ///」

『・・・(笑)』


鼻で笑う息遣いが聞こえて、そのあと足音が近づいた。
ソファが揺れた。



――――――――



マネージャーの車から家の窓を見たとき部屋は真っ暗だったから
みんな遅いのか、と思って部屋に入ると、スタンドライトの明かりの元で眠っているカナミを見つけた。


随分飲んだようでテーブルの上が散らかっていた。
疲れているんだろうなと思ったから、そっとしておいた。

そういえば、部屋寒くね?
クーラー入れすぎだろ。

温度を調節すると
自分の部屋からタオルケットを持ってきてカナミにかける。
音を立てないように空になっている缶や食器をシンクへ運んだ。

一人にしておいたほうが良さそうだと思って
部屋に戻ろうとした。

そのとき。


「・・・うぅ・・・、んぅぅー・・・・ん。」

ん?起きたか?

なんか、苦しそうだなぁ。

近づいて顔を覗き込んでみると、悲しそうな顔をしてた。
怖い夢でも見てるんだ、と体を揺すってみた。

『かなみちゃん?おーい、ゆめだよ?』


「・・・・っ、・・・・っ、」


うぉっ、泣いてる・・・?どうしよう。

何度も起こそうとしたけど、起きなくて。
しばらくすると静かに寝息をたて始めた。
もう大丈夫なのかな?
・・・変な体勢で寝るから怖い夢みるんだよ。


もう一回肩をトントンと叩いてみたけど起きる気配が全くない。


そっとタオルケットを剥がしてソファの端に置くと、
そっと小さな体を抱え上げてソファに運ぶ。
タオルをかけ直すと近づいた顔に、はっとした。
涙の跡がついている。


『おぉ。・・・ふふ、こどもみたい。つかれてるんだな。おつかれさまです。』
静かにつぶやいた。


涙か、体温でくもったのか、テーブルが濡れてた。
なんか、かわいいな、なんて思いながらテーブルを拭く。

なんとなく部屋に戻るのをやめて、カウンターに座った。


泣くほど怖い夢って、どれくらい怖いのかな・・・
おいら怖い夢みても泣いたことはないや。

いろいろ考え事をしながらカウンターでぼーっとしてた。


近くにあったルービックキューブを手にとってみたり。
携帯でゲームをしてみたり。


しばらくして、ソファの軋む音がして目が覚めた。
あぶね、寝そうだった。


『・・・あ・・・おは・・・』
声をかけようとしたけど、いきなり泣き出すカナミちゃんを見て、言葉は引っ込んだ。

「・・・はぁっ・・・・はぁ・・・。・・・・んぐっ・・・・ひっ・・・・うぅーーん・・・」


こういうとき、どうすればいいんだろう。
放っておいた方がいいかなぁ。

静かに気配を消して、泣き止むのを待った。


だんだん静かになる声、起き上がるちいさな身体。
肩は寂しそうで、髪の間から見える鼻先は赤くなっているみたい。
どうすればいいかわからなかったから、とりあえず電気をつけてみた。
キョロキョロするカナミちゃんと目が合う。
大丈夫?って聞くと恥ずかしかったのかタオルの中に潜ってしまった。



――――――――


『だいじょう・・・』
「あぁ!!!」

『なに?』

急いでタオルから出て、全力で謝った。
このタオル、私のじゃない。涙と鼻水でぐしょぐしょ・・・。

『ふははっ、いいよ、そんなの洗濯すれば。』
「でも・・・。」


『どうしたの?すごいうなされてたけど。』
「夢がすんごく怖くって・・・」
『ほぉ。めっちゃ泣いてたよ。途中も。』
「起こしてくれたらよかったのに!」
『起こしたよ?けど全然起きないから・・・。
寝始めたからいっかって思って。
でも、体制キツそうだったから、ここに寝かしたら、よく寝てたよ。』
「あ!え?もしかして・・・」
『おれが・・・・』
「・・・・うそっ、恥ずかしい!!」
『えぇっ?んふふ、別にこっからここに乗せただけだよ、ふふっ』
そういって床とソファを交互に指差して笑った。


「ていうか、待って。え?ずっと、ここにいたんだよね?」

うなされたこと、泣いてたこと、全部見てたってこと?
もう何もかも恥ずかしくなってまさに穴があれば入りたいとはこのことで。
タオルで顔を半分隠す。

『カウンターに座ってゲームしてたら、眠くなっちゃって、
ウトウトしてたら起きだしたから、あ、って思ったよ。
そしたら、また泣くからどうしようってなって・・・(笑)
忙しいんだろうなぁっては思った。』

「もう、なんか、全部忘れておいてね!!絶対!」

『え?おぉ、おぉ、わかったわかった。(笑) 
え、どんな夢だったの?』

一通り夢の内容を話して、泣いたのは他のこともちょっとね、なんてごまかした。

『忙しいんだねぇ。あのね、疲れてると、うなされるんだって。
なんか、金縛りとか、そういう系のやつも、霊とかじゃなくて、』
「あ、そうなんだ?よく見るんだ、同じような怖い夢。」
『おいらも床で寝ちゃったりすると、体めっちゃ痛くなるし、うなされるし。ははっ。
カナちゃん疲れてんだよ、たまにはさ、休みなよ、おいらみたいに、んふふははっ』

大野くんのほうが何倍も忙しいはずなのに。
やわらかい口調で、心のとげを抜いてもらった気がした。
温かい笑顔は私も引き込んでくれて、私も腫れた目と赤い鼻のままふふふって笑う。


「わたし、顔、ひどいよね?はははっ」
『目、真っ赤だよ(笑) 冷やす?』

そう言うと立ち上がって戸棚の引き出しからビニール袋を取り出すと氷水を作ってくれた。

『はい』

渡された袋ははきちんとタオルに包まれていて、
考えてなさそうなくせに、すごく気が利く彼の優しさに心がほっこりした。

それから「あ~~」っとソファの背もたれに首を預けて目を冷やしながら
いろいろなお話しをして、のんびりした。


腫れも少し引いてきたころ他のみんなもぼちぼち帰ってきた。
みんな私の顔を見るたび、一瞬目を丸くして、『どうしたの?』と気にかけてくれた。
本当にみんなよく見てる。
聞かれるたび私は「夢が・・・ね?」と大野くんと時々目を合わせたりしながら、
二人で説明して、事情を知った人は次に帰ってきた人に説明して・・・
できごとがリレーのように話し継がれてその度、私は「全然平気なんだけどね!」と
うたい文句のように最後に付け加えた。



ソファに寝かせてくれたことは必然的に二人だけの秘密になって・・・。

なんだか、くすぐったい。






⇒⇒⇒NEXT:シェアハウス#16


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